【短編】雪うさぎ
外へ出ると吹雪はもうやんでいて、辺り一面真っ白だった。


重そうに雪をかぶった街灯が

おぼつかない灯りで私たちの手元を照らしてくれる。


時々、電線や屋根から落ちる雪の音以外は、音が存在しないかのように

真っ暗な夜空と真っ白な雪の中に私たちの息使いさえもが吸い込まれていく



ゆうちゃんは全部で4つの雪うさぎを作った。


6才と5才の小さな手では、なかなかうまく形にならなかったけれども

それでもなんとか大きさのちがう4つの雪うさぎを作ることが出来た。


「この一番大きいのがうさぎのお父さんだよ。次に大きいのがお母さん」


出来上がった雪うさぎを大きい順番に指差しながら私に言った。


「じゃあ、この少し小さいのがわたしで、いちばんちいさいのが赤ちゃん?」


ゆうちゃんは優しく頷いて、そうだよと笑ってくれた。


そして、私の雪うさぎの横にもう一つ同じくらいの雪うさぎを置く。




「これが俺。ずっと傍にいるからね。」




ゆうちゃんの優しさがうれしくて



何故だか急に涙があふれて、止まらなかった。





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