澪樹…こんな世界で
旅を続けて
一ヵ月後
再び違う街へ辿りついた

そこは健在な政府機関が機能している場所で
僕はまっさきに誰か街の責任者に追いすがるように
キムを紹介して 全てを告げた

あいつは その前から曇った表情をして
悪い予感がするわと
ぼくにこぼしていたが…


一等のスイートルームを与えられた僕とあいつは
事の成り行きを見守った

この街について以来
キムの姿を見れなくなったことは寂しかったが

これで少しは世界がよくなっていくと思えば
とてつもない安堵感に包まれもした。

ある日メディカルルームへ通された僕とあいつは
医療ベッドに縛り付けられ
様々な器具を取り付けられて苦しそうにしているキムを見て
愕然とした

キムはまるで実験台のように扱われ
そして何よりこれまでで一番苦しんでいた


「まったく困ったものですな」
責任者が言った
「確かに感染病の治療効果のあるある特異な周波を
彼女の脳波から検出しました…ただ 何もかも分からないことだらけです
そして調べるにつれて その周波数もだんだん弱まってきていますな」

僕はまるで何かに取り付かれでもしたかのように
得意な武器のアーミーナイフを取り出していた
「あの仔を解放しろ
さもなくばおまえも餌食だ」
僕は真剣だった
アーミーナイフを責任者の首に当て
メディカルセンターの研究員全員に威勢を張った

あいつは そんな俺を見て当然といった表情をして見せた


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