スタートライン -Second☆Season- *甘い生活は、俺様社長と?*
『桃分かりやすいからな』
そう言って、クールに言い放つ遼平さん。
…あたしって、そんなに分かりやすいの?
その事実にショックを受けながら頭を抱え込むと、受話器越しに遼平さんの声が聞こえてきた。
『行ってこいよ』
「え……!?」
『だから、行ってこいよ。
俺のことなんか気にせずに』
受話器越しでも、遼平さんの表情がわかる。
…この声は、微笑んでるときの声だ。
「ありがとう、遼平さん」
あたしはそう呟いて電話を切った。
そしてハナちゃんの方を向く。
「ご飯行けるよー!!」
そう叫んだ後、あたしはハナちゃんの元に駆け出した。
―――これが、あたしと遼平さんの離れて行くきっかけだった。
.