スタートライン -Second☆Season- *甘い生活は、俺様社長と?*



…ひかる君がいなくなったのを確認すると、あたしは唇をゴシゴシと擦りはじめた。


口元が赤くなるくらいに強く。




遼平さんがあたしのことを大事に思ってくれてるのは分かる。


付き合い初めてから変に優しかったから。



でも、それとは裏腹に前みたいな俺様感が薄れてきていた。


そのことが、最近のあたしには何か物足りなかった。



戻ってよ。

前の俺様だけど優しい遼平さんに。



そして、あたしの口元を消毒してよ。


あたしが壊れるほどに。





「…遼平さんっ……」



「呼んだ?」



下を向いているあたしの前に人影を感じた。




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