スタートライン -Second☆Season- *甘い生活は、俺様社長と?*
そっと静かに上を向く。
「りょ…へー…さん……」
「どうした?桃…」
そこには、いつもの微笑みをあたしに向けている遼平さんがいた。
あたしは遼平さんを見るなり、彼の腰に抱き着いた。
「…桃?」
普段、あまりこんなことをしないあたしに遼平さんは戸惑っている様子。
あたしはギュッと遼平さんを捕まえた。
「……っ…」
「泣いてるのか?」
あたしの声に気付いた遼平さんが、空いている手であたしの顔を上に持ち上げる。
…相当酷い顔なんだろうな。
遼平さんはあたしの顔を見て黙っているだけだった。
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