イケメン先輩の恋愛事情
「…悪い悪い。じゃあ、座って?」
準備が終わり、ようやく手持無沙汰な私たちに気付いてくれた大輔さんが声をかけてくれて助かった。
はい。と返事をしてブルーシートの端のほうにちょこんと座った。
「どれ飲む?」
袋を開きながら私たちに声をかけてくれたのは、女の人。
まだ名前も知らないその人にお礼を言いながら、缶を一つずつ頂いた。
「じゃあ、みんなお酒はそろったかな。」
「はーい!!」
部員たちの元気のよすぎる返事に少しびっくりしたが、音頭を取り始めた大輔さんを見上げた。
「まだ全員そろっていませんが、お先にやりたいと思います。新入生もいることだし、盛り上がっちゃいましょう。乾杯!!」
「かんぱーい」
缶を頭よりも少し高いところまで持ち上げ、アルコールを流し込んだ。