イケメン先輩の恋愛事情
飲むのか飲まないのか選択肢もないまま、紙コップを渡されると、再び乾杯をし、日本酒に口をつけた。
今まで飲んでいたチューハイなんてジュースだったかのように感じてしまうほど体全体に広がるアルコール。
「飲みっぷりいいなぁ。気に入った!」
勧められるがままにガブガブ日本酒を飲んでいく。
3人で一升瓶を簡単に開けてしまい、気づいたときには私は完全に酔っ払ってしまっていた。
「レミさぁ~ん、咲夜さぁ~ん、次行きますよぉ~」
すっかり夜も深まり、桜の下での飲み会はお開きになるところだ。
私たち3人を中心に2次会に行く人を集め、行かない人はこの場で解散することになった。
それにしてもお酒の力はすごい。
こんなにカッコいいイケメンに絡んだり、ましてや、初対面の先輩たちにここまで絡んでいる私。
普通の状態なら、まず出来ない。
ただ、なんだか今日は夜風がとても気持ちよくて。
虚ろに見える夜桜を見上げながら、お酒を求めて先輩たちとこの場所から離れた。