イケメン先輩の恋愛事情


スポーツ系には全く興味を示さない私たちに、次第に勧誘の声は少なくなっていった。



「ねぇねぇ。新入生でしょ?キミたち今夜暇?」


不意に呼び止める男の声に、私たちは振り返った。


見た目は・・・サーフ系とでも言うのだろうか。

まだ春だというのに、日焼けした肌。

メッシュの入った明るめの茶髪に軽そうなノリ。



「・・・学校内でナンパですか?」


そのチャラそうな男に私は不審感を覚えた。


「あはは。おもしろいこと言うねぇ。んなわけ無いでしょ。」


笑いながら、私の肩をポンポンと2回叩いた。

まだ、一言、二言しか会話もしていないのに気安く触ってくるなんて、見た目どおり遊んでいるんだろうなと思った。

顔も悪くはないし、こんな風に話しかけられたら、ついていく女は少なくないだろう。


「・・・じゃあ、サークルの勧誘ですか?」


さらに不審感が増し、少しその男から離れながら尋ねてみた。



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