イケメン先輩の恋愛事情
突風
どんなにしっかりと生い茂った緑の葉だって、強風にはかなわない。
落葉の季節でなくったって強くたくましそうな緑の葉だって散ってしまう。
それとは逆に、少しの風でも消えてしまいそうなともし火でも、いつまでも消えなかったりもする。
見たまま、思ったままが真実ではないことなんてしばしばあることだ。
「やっと飲めるわぁ~あたしも混ぜてね」
最後のお客の会計を済ませ、店の中へ暖簾をしまう頃には日付をまたいでいた。
ささっと店じまいをするとお酒のグラスを持ってきて私たちのテーブルに座り、グイッとアルコールを流し込んだ。