イケメン先輩の恋愛事情
笑顔の裏側
愛美と過ごす時間も増え、こずえさんの居酒屋にも頻繁に足を運んでいた。
毎日、他愛のない会話。
過去とか、未来とか関係なく"今"が楽しい。
こずえさんは、気が強いけれど、イエス・ノーがはっきりしているしとてもサバサバした性格。
悪い事は悪いって言ってくれ、姉的存在でもあるし、時には母親的な愛情も感じられることができる。
私たち3人はどんどん仲良くなっていった。
だからこそ。
咲夜さんのことだけはどうしても言えない。
咲夜さんを好きだって気持ちも大切にしていきたいけれど、このサークルの輪を壊してしまうこともできない。
サークルの輪を壊してしまうということは、こずえさんや大輔さんを裏切ることと同じような気がして、どちらを優先すべきなのか答えも出ず、ただこの瞬間(トキ)を楽しむ毎日。
本当は、咲夜さんともみんなと同じように"仲間"として遊びに行ったり、飲みに行ったりできるのなら一番楽しいことなのかもしれない。
だけど、どうしてもただの"先輩"として見るなんて出来ないんだ。
・・・キスの魔法にかかったからかな。