イケメン先輩の恋愛事情
「・・・そういえばさぁ、綾乃とゆっくり話すのって初めてだよね?」
夏の日差しに目を細めながらしばしの沈黙を破った。
「あっ・・・。ですよねぇ・・・」
夏の暑さに加えてさらに体が熱くなりのぼせてしまいそうだ。
まともに見る事の出来ない咲夜さんの顔。
手に持っているレモンスカッシュを見つめながら返事をした。
「俺も最近はあんまりサークル出てなかったからさ。あっ。キャンプはちゃんと参加するよ?」
「大学での初めての旅行なので楽しみですっ」
「マジで?またたくさん飲ませるから、覚悟しといてねぇ~」
私の顔を覗き込み、頭をポンポンと軽く二回なでながらニヤッと笑った。
「・・・あのときよりは強くなったはずです・・・」
触れられた手と間近の笑顔に心臓が破裂しそうなほど体中を打ち鳴らす。