イケメン先輩の恋愛事情



「どこ行ってたのさ?マジありえなーい!!」



図書館に戻るとすでに目を覚ましていた愛美が不貞腐れていた。



「ごめん、ごめん。ちょっと喉渇いちゃってさ、ジュース飲みに行ってた」



ここじゃ飲めないじゃん?とご機嫌斜めの愛美をなだめる。



「携帯鳴らしても出ないから、勉強バックレたかと思った~」


なんで電話出ないのさ?と言われて慌てて携帯を取り出す。



「・・・今、着信気づいた・・・」



電話出てくんなきゃ携帯持ってる意味ないからと、なかなか機嫌の治らない愛美に、帰りにアイスおごるからさと言いながら顔色を伺う。



「マジ?じゃあ今回は許す♪」



と、帰りのアイスを楽しみに勉強を始めた。


不貞腐れたり、ニコッと笑ったり。


愛美の表情はいつも忙しい。



私は、感情を素直に表すことって苦手なほうだから、そんな愛美が今は羨ましい。





・・・咲夜さんの前で、もう少し素直な気持ちで振舞えたらいいのに。




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