あなたのモノ




湊が行ってからは、
いつものように家事を始める。


掃除だって、湊は忙しいから
私がいなくなったら、
あまり出来ないだろう。

だからいつも以上に丁寧にやる。



けど、浮かんでくるあの光景。

きっと彼女が
やってくれるんだろうな。



私がいたことが
忘れられちゃうのかな?

私と過ごしたことも。


忘れてほしくないよ…。

毎日が楽しくて、温かかった。


私は忘れたくても
忘れられないと思うよ?

忘れたくもないけど…



これから生きていく中で
これ程幸せな日々、
これ以上に幸せな日々が
あるとは思えない。

それくらい幸せだった。




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