あなたのモノ



もうそろそろ出来る頃。


それでも湊は起きそうにない。



「あっ…」


手に持っていたお玉を
落としてしまい、
大きな音を立てて落ちた。

それを拾いながら、心の中で
“起こしてませんように”
と願って湊を見る。


願いは虚しく、まだ眠たそうに
目をこする湊がいた。



「ごめんね、起こしちゃって」


「ん…大丈夫…」


「カレー出来たけど、
まだ寝てる?」


その言葉を聞いた数秒後、
バッと目を見開いて


「…あ!悪い!!寝すぎた!」


と大きな声で言った。


完全に目が覚めたようだ。




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