あなたのモノ
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「希未も今日はお疲れ。
一生懸命掃除してくれて
疲れたんだろ?ありがとな。
なあ、ずっと側に居てくれるか?
つーか…居てくれよ…」
頭を撫でていた手が急に止まり、
黙った湊の口から
信じられない言葉が聞こえた。
ずっと側に…?
私なんかが居ていいの??
本当は起きていた。
正確に言うと、湊がお風呂から
出てきてこの部屋に来た音で
目が覚めた。
起きようとしたけど
頭に手が乗ったことで
起きるタイミングを
逃してしまった。
どうしたらいいんだろ…
じっと起きるタイミングを
見計らっていた。
すると、聞き慣れない曲が
耳に入る。