あなたのモノ
険しい顔をして湊は部屋に戻ってきた。
「起こした?ごめんな」
「う、ううん!私こそ
寝ちゃってごめんね」
さっきの湊の言葉が
頭から離れない。
“ずっと側にいてくれるか?
あ、未紀?”
ずっと側にいてくれるか?
居ていいなら私はずっと…
けど、未紀って誰?
そんなこと聞けるはずない。
わからないことだらけだよ…。
「おかず温め直すね!」
おかずを持って
急いで立ち上がった。
「あのさっ!用事できたから…
やっぱ飯いらねぇや…。
ごめんな?
せっかく待っててくれたのに」
「え…、あ!大丈夫だよ!
気をつけて行ってきてね」
崩れかけた笑顔をバレないように
再び作った。