あなたのモノ



―――――



…寝ちゃったんだ…。



あれから湊を待ってようと
起きていた。


けど起きている間に
湊は帰って来なかった。



寝不足なのか、
いつもより朝の日差しがキツい。


体を起こすと
パサッと何かが落ちた。


タオルケット?

きっと、湊がかけてくれたんだ。


今はその優しさが
嬉しいような悲しいような…。



次に目に入ったのは
テーブルの上に
並べてある朝食。


その上には一枚のメモ。



メモには“ごめん”だけが
ポツンと書かれていた。




時計に目をやると、既に11時。


もうとっくに
湊は会社に行っている時間。



…なにやってるんだろ。


勝手に待ってた挙げ句、
迷惑をかけた。



深いため息をついて、
重たい体を起こし
朝食のおかずを温め直す。



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