あなたのモノ




「そろそろ寝るか?」


二人ともお風呂に入り終わり、
ソファーに座って、
しばらくテレビを見ていた時に
湊は口にした。


本当はもっと話していたかった。

目を見て、ゆっくりと。



最近は当たり前になっているので
湊は当然のごとく
離れて横になる。

自分もベットに横になり、
その背中を見つめる。


…もっと近くにいきたい。




「ね…湊??」


「ん?」


「近く行っていい?」


「いいけど…どうした?」

不思議な表情をしたと思うと
すぐに優しい笑顔になった。



「ううん…
どうもしないんだけどね」

そう言いながら身を寄せた。




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