サイレント・マリン

友人は呆れたように笑って、机のカバンを掴み取る。


「まぁいいや。俺、先帰るから、あとお前一人だぞ」


「……ああ」


もうみんなとっくに帰ったのか。

がらんとした教室を見れば、状況はすぐに理解できた。

友人が教室を出ていった後、僕もカバンを掴んで立ち上がった。


海へ、彼女に会いに行く為に。


< 14 / 38 >

この作品をシェア

pagetop