サイレント・マリン

僕は驚いて聞き返してしまう。


「僕のこと、知ってるの──?」


彼女は首を傾げて微笑んだ。


「うん。キミのことを、私はよく知ってる」


彼女は僕の手を掴むと、「来て」と言った。

僕は連れられるまま、入り江の奥に足を踏み入れる。


スニーカーがうっすらと濡れる。


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