サイレント・マリン
アトガキ
作者の天倉です。
本作をここまで読んでくださり、ありがとうございました。
実は本作『サイレント・マリン』と前作の『メビウス・レイン』はリンク作品です。
共通の世界観でありながら、全く別の空気を持つ作品がコンセプトです。
前作の主人公、『真澄』よりも、本作の主人公である『湊』は人間味が強くなっており、また新鮮かと思います。彼の心の成長も、また本作の読みどころとなっております。
また、もう一人の主人公、『マリン』は、『イヴ』よりも不気味に感じるかと思います。
ちなみにマリンとは、『海の』という意味の形容詞です。
彼女が海のものである証なのかもしれません。
可愛らしい少女の言葉から、毒を放つような、鋭く重いものを感じていただけたなら嬉しいです。
そして重要なキーワードである『わだつみ』は、漢字で『海神』と表記します。
そして作中で、湊はマリンに対し『人魚』という表現を使いましたが、読む方によっては『セイレーン』という怪物を連想するかもしれません。
綺麗で残酷な物語を、ご堪能して頂けたでしょうか?
して頂けたなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。
それでは、また別の場所でお会いできることを、心より願っております。