サクラ、咲く
「私が言ってるんだし…。いいでしょ。」



「でも…身分の差がありすぎる…」



この男はこの期に及んでそんな事を心配しているのか。



さっき、私に怒ったくせに。



「そんなの気にしない。…私の傍にいたいんでしょ?普通に接してほしい……。」



佐久間さんはうっすらと笑った。



「分かったよ…夕。俺のことも秀平でいいから。」



普通の人には、こんなの些細なことなんだろう。



でも私にとっては、同い年で対等に喋れるということは珍しかった。



だから、すごく嬉しかった。
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