サクラ、咲く

「…ということで、お父様……」



「むむ」



お父様は、幕府の中でも上の方の地位だ。



それでも百姓の秀平に対して真剣に悩んでくれた。



「秀平君、君は…どのくらいの意思を持っているんだ?」



秀平は緊張した面持ちだった。




「えっと。おれ…僕は、彼女をこの身が滅んだとしても、腕がなくなったとしても、守り抜きます。」



やっぱり秀平はまっすぐ前を向いていた。



「むむ~」



お父さんは何かしら悩んでいるようだ。



「ね、秀平」



「何ですか、夕さん」



…敬語に戻ってる。



私は、目で訴えた。



すると秀平はチラチラとお父様を見た。
< 12 / 20 >

この作品をシェア

pagetop