サクラ、咲く
「え……?」



今、この人は私のことを「夕さん」と呼んだ。



それと同時に…ありえないことを言った。



「えっと…。まず、あなたの名は?」



男はあっと叫んで、はにかんだ。



「名乗るの忘れてました。佐久間 秀平といいます」



佐久間 秀平……



「佐久間さん。それは…将軍になりたい、ということですか?」



男の顔が真剣になる。




「違います。ただ、夕さんを守るために傍においてくれればいいんです。」



「なぜ…私……?」



男が一瞬、言葉に詰まる。



しかし、すぐに口を開いた。



「先日…、俺の親友の、…大介が死にました。……夕さん、あなたの兵に居た奴ですよ。」



「え……。」



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