サクラ、咲く
「…大介は……、お、れより…4歳上で、俺の…お兄さん、みたいな、そんざい…-っ…で」



佐久間さんは涙を流しながら話していた。



「俺が…俺、が…家族がいなくて……それを、知った上で、俺と一緒に、居てくれた…大切な存在…-っ…です。剣術を、よく…おしえ、てくれました…。」



佐久間さんは私を恨んだりしないの…?



なんて詫びればいいんだろう…。



でも…こんなこと聞いたら…



「私、あなたを傍に置くことは出来ません…。」



佐久間さんはバッと顔を上げた。



「なんで…なんでですか!?」



「あなたが…もし私のために戦って、死んだとしたら…それこそ、大介さんは悲しみますよ。…きっと……」



佐久間さんは黙って下を向いた。



佐久間さんの顔で見えなかった外が見えた。



…雪が降っている。



泣いている佐久間さんと外の雪が妙に合っていた。



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