大嫌いって言わないで
野沢の想い
彼女を行かせたのはどうしてだろう…?
やろうと思えば、キスするくらい簡単だったはずだ
笹倉がやったみたいに…
俺だって、本気で彼女が好きだったのに…
いや、本気で好きだったからこそできなかったんだ
彼女の想いに、気付いていたから…
彼女と入れ違いで、クラスメートたちが入って来た
「なんだよ、野沢~」
「朝から痴話げんかか何かか~」
冷やかしにかかるクラスメートたちに、俺は静かに呟いた
「そんなんじゃないよ…ただ、『いい友だち』に戻っただけだ…」