大嫌いって言わないで




気付くと俺は、桜庭を後ろから抱き締めていた






「さ…さくら君?」






驚いたような声




表情は見えない







俺はきっと、面と向かっては伝えられない弱虫だ






だから、情けないけど…このまま聞いて?









「好きだ…」

「…え?」

「俺は桜庭が、誰よりも、何よりも、一番好きだ…」


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