大嫌いって言わないで
っつーか、早っ!

こいつ普段からこんなに早く来てんのかよ




「そこ、私の席なんだけど?」



下らないことを考えていた俺の耳に、また桜庭の声が飛び込んできた




「あ…わりぃ」


なんか知らんけど謝ってるし、俺!



桜庭が怪訝な顔をして俺を見てる



「何か、私に用でもあるの?」

「いや、別に…」



そう答えると、桜庭は俺をひと睨みして席に着いた




――用もないのに、こっちに来ないで!




そう言われているように感じた



「こっえー。お前、今のままだと一生男に縁ねーわ」



思ってもいない軽口をたたいてしまった



本当は知ってる…

桜庭はすっげぇモテるんだ
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