幸せな夢。

そう言うと、拓が抱きついて来た。



「大丈夫やで、俺は一生何があっても曖羅の傍におったる。曖羅を苛める様な奴がいたら、俺が退治してやる。絶対に守ったる。だから、何も、気にせんでええんやで。世界中で誰よりも曖羅が大好きや。俺だって、曖羅と笑ってる時間がとても幸せや。どんなに、激しい喧嘩したとしても、傍におったるし、曖羅が他の男に連れて行かれそうになったら、迎えに行くわ。あんな、曖羅と付き合ってから、俺の時計の中心はいつの間にか曖羅になっとんたんや。せやから、曖羅を失くしたら、俺の時計は止まってしまう。つまり、終わりやってことや。だから、曖羅は俺の命や。絶対、傷けへんって誓うわ！」



「拓、ありがとう。私、絶対離れないよ。ずっと、拓の隣にいるよ。拓の彼女になれてよかった。私、幸せ者だね」
「当然や！　俺の女はいつまで経っても曖羅だけや！」



拓…ありがとう。何か泣けて来ちゃった。



「拓～あじがどー」
「ほら、泣くなや！　泣き虫が！」
「だっで、嬉じいんだもん」
「拓、大好ぎー」
「俺もやで、曖羅愛しとるで」



拓は力いっぱいに私を抱きしめた。
拓の胸の中は、私を安心させる魔法を持ってる。
私が泣くと、いつも抱きしめてくれて、あやしてくれる。
なんとなく、お父さんみたい思えたりする。



「ええか、泣きたくなったら、いつでも言うんやで」
「わかった。いつでも言う」　
「良い子や」