幸せな夢。
私は、嬉しさと安心感でいっぱいになり、拓の胸の中で泣き続けた。
その間、拓は黙って抱きしめてくれた。
凄く嬉しかった。



「なぁ? 曖羅? 俺たち一緒に暮らしちゃ駄目か?」
「どうだろ…? そうするなら、今のマンションでなきゃいけないな。だってあそこも客から貰ったモノだし」
「…だよな」



拓と暮らせたらって何回夢に見ただろう。
正直、彼氏と暮らすなんて、籍入れたみたいで、楽しいだろうなって憧れてた。



「じゃあ、俺も自分売る事にする!」



泣きやんだ時、拓は言った。



「何?」
「せやから、曖羅に負けないくらい稼いで、二人の家を作ろう」
「え?」
「俺も有名ホストになって、稼いで、曖羅と俺の家を建てる」
「ホスト? 拓がホスト? 笑えるんだけど」
「こら、勝手に想像して笑わない!」
「だって、あり得ない…拓が、ホストなんて」
「まぁ、逆援交でも十分行けるきがするんだけどな!」
「ホストの方がまだいいと思う」
「だろ?」



拓、ありがとうね。
私のために夜の仕事始めるなんて…辛くない? 
泣きたくなる夜もあるよ?
大丈夫かな?
ホストの世界って新人苛めとか、あるよ? 



「ホストになる前に、かっこよく変身しなきゃいけないね」
「どうして?」
「今のままだと、原始人ホストよ? 肌黒いし、金髪にしてみたら?」
「金髪ねぇ? って、おい! 原始人ホストって何や!」
「私、金髪になった拓を見てみたいな♪」
「わかった。やったる」
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