青春ナイン
俺は若干ショックを
受けつつ
でも.黙ってた...

しばらく.蝉(せみ)の
鳴く音だけが
二人の間に聞こえていた...

意を決したように.陽那が
真剣な顔で話し始めた__






「さっきのなあ.
 こうちゃんのこと傷つけたくて
 言ったんじゃなくて__」

「わかってるし」
陽那の頭をクシャクシャってして撫でた...


そしたら.陽那が隣に座って
俺のユニフォームを掴んで続けた__



「あたし.こうちゃんが試合に
出てたら勝ってたと思うねん」


「そんなお世辞いらんし」

「お世辞とかそんなんじゃ
 なくて...
 なんか.そう思っちゃうねん」


陽那がお世辞とか嘘つかへんのは
知ってる
思ったこと正直に言う
それが陽那のいいところで
たまにあかんところ

正直に言い過ぎて人を
傷付けてしまう


陽那は外見が良いだけに
よく知らん人(特に女子)には
けっこう疎まれたり
中学の時はそれで
虐められたりした


でも陽那は自分の言ったことで
傷付けたって分かったら
ちゃんと謝れる奴やねん...
話.大分それたけど
陽那は良くないとこもあるけど
優しい奴やってこと

...結局.彼女自慢なったけど;



「現実はそんな甘くないけどな」


でも.口ではひねくれた事しか
言われへん


陽那のいいとことか探さんでも.
聞かれへんくても.
こんなあんのに__
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