青春ナイン



「え〜.さっきめっちゃ
 傷ついたのに...」




「どうせ俺は
 万年補欠ですよ?」






そんな訳で.ちょっと拗ねてみた



したら.案外すぐに観念したんか
陽那は口を開けた





「う"ぅ―...わかったあ
けど目瞑って?」





(陽那は押しに弱いんかも...)



そんな事思いつつ.
言われた通り俺は目を瞑った






しばらくして陽那の
小さいけど長くて綺麗な指が
遠慮がちに俺の腰に回ってきた





触れた指から
陽那が緊張してんのが伝わって
伝染みたいに.今まで
止まってたんちゃうか?
ってぐらい心臓がドキドキした




あんまりギュッと
してくれへんから
代わりに陽那を強く抱きしめた



...嘘


本間は.自分から言っといて
緊張しまくってるって
ばれたらかっこ悪いから.._





そんなん考えてたら
開いてる窓からフワッと
風にのって.いい匂いがした



陽那の匂い...


よくわからへんけど
香水とかじゃなくて...
なんかいい匂い


落ち着く________


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