秘密の味
それだけを言って
別々の道を歩く


家につくなり
ただいまも言わないで部屋にいく


その時かすかに聞こえた
「おかえり」


お兄ちゃんの声

バタンと部屋のドアの音

私は壁をズットみていた


毎日見ていて違和感があるお兄ちゃんと里沙さん

手をつなぐ
優しい笑いかたをしていないお兄ちゃん


私にばかり
笑いかけていた
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