私は小さな巨人に恋をした――
Level‐Ⅰ
昔からそうだった。
身長は一番小さい。
度胸と勇気と正義感は人一倍。
幼稚園の頃だったね。
近所の犬が逃げて私が追い掛けられた。
絶体絶命の私が見たのは、棒を持った小さな後ろ姿。
ヒーローみたいだった…………
犬と戦って10針縫う大怪我おっても、泣いてる私を安心させようと
「こんなの痛くないよ!」
って笑ってくれてた。
ホントは痛かったくせに。無理に強がっちゃって……
あの時の泥だらけの笑顔が眩しくて
私は恋に落ちたんだ――――――