私は小さな巨人に恋をした――







休み時間………












ぽん












後ろからなにかで叩かれた。

ビックリして振り向くと………高広。











「余計なことすんな」


「は?何?」









恐い顔。











「お前、俺に答見せたろ。俺、ズルしちゃったじゃん」










勝負は正々堂々。勝負玉はストレート。

これが口癖の高広らしい正論。








可哀相だけど、放っておけばよかった?
私余計なことだった………?









私の浮かない表情に気付いたのか、頭下げて覗き込んでくる。








「弥生?お~い」


「ごめんねっ、余計な事して。もうしないからっ」


「…………」










自分でもびっくりするくらい、つっけんどんな言い方……でも、言った手前下げた視線を高広に向けれない。










自分の机。




端っこには、高広にいたずらで彫られた【たか☆やよい】の相合い傘―――








< 10 / 78 >

この作品をシェア

pagetop