私は小さな巨人に恋をした――





「……で、だからね」


「ゴメン、教えて貰っといてなんだけど。俺、部活行かなきゃ」


「あっそ……」










な~んかさっきからチラチラ時計気にして、集中しないと思ったら。












は~……って、ため息ついたのに気付いたのか、顔の前で「拝む」ポーズをしてみせる。
そして、私にとって嬉しい事に………












「続き、今晩教えてくれると助かる」










今晩!?今晩て言いましたか?いま………










いくら隣同士でも、お家同士仲よくとも、学校以外で会うことは滅多にない。

高広が部活にせいを出すようになってからは、いつも高広だけ欠けた状態だったから…………









嬉しい。嬉しすぎる!









「だめ?」





駄目じゃない、ない!










「ん~……私も予定がなぁ」











予定なんかないだろが!この口め~!









「お願いします!今日中になんとか、雰囲気だけでも掴みたい!」










再度「拝む」ポーズをしてみせる高広をチラッと見て、溜め息。










「しょうがないなぁ」


「いいの?やたっ♪」







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