私は小さな巨人に恋をした――
Level‐Ⅱ
「遅刻する~!行ってきま~す」
勢いよく玄関を出る。
昨日夜中まで友達のユキと電話してたのがいけなかった。
完璧寝坊………
やばい、やばい、やば~い!
ガシャン
勢いよく響く金属音。
反射的に音の方に目を向ける。
ドキン
誰だかはもうわかってる――――
「うっす!」
短めの黒髪に焼けた小麦色の肌、小さい顔に満面の笑み、八重歯が光る。
学ランの前を開けて、白いシャツを出したまま、私と並んで走り出したコイツ………