私は小さな巨人に恋をした――
Level‐Ⅴ
〇〇〇
「は~……」
「ちょっと~、随分デカイ溜め息じゃん」
「ん~………」
眠れなかった。
タカがどういう心境であんなことしたのか、色々考えちゃって………
もちろんアイツのことだから、そんな深い意味なんかないんだろう。
現に…………
教室の前の方で、他の男子達と楽しそうに戯れてる。
これのどこがお子ちゃまじゃないのか………悪いけど、私にはわかんないよ。
「…ガキ」
「えっ?」
「ううん、何でもない。借りたDVD見てたら夜更かししちゃって……」
「そっかそっか~、あれの主人公ってさ……」
「弥生~!」
私を呼ぶ声の主は高広。
「指先、切っちゃった……」
右手の指を押さえる左手の指の間から、ポタポタ滴る鮮血…………あ~ぁ。