私は小さな巨人に恋をした――
高広の事だから。
てっきり、のりちゃんと保健室行くんだと思ってそっぽ向いたのに………
「やだ。弥生、ご指名だもん」
はいぃぃ~!?
「ほら弥生。【はい、喜んで♪】って言ってみ~?」
「……バカ」
何を言ってんだコイツは…………
そう呆れながらも、のりちゃんの誘いを断って、私を指名してくれたのは密かに嬉しい。
「早く~、俺このままじゃ出血死するから」
まだポタポタ滴ってるみたい。
「そんなこと、絶対言わない」
「え~、つれない…」
「でもしょうがないからついて行ってあげるよ」
「やたっ♪」
無邪気に喜ぶ姿に、キュン………
「え~、私なら【はい、御主人♪】も付けるのにぃ……」
若干、不服気味なのりちゃんに苦笑いを残し、高広を連れて教室を後にした。