私は小さな巨人に恋をした――
……今なんて?
高広が………宿題をやってきた?
有り得ない。
だって、勉強嫌いの宿題忘れの常習犯。
この補習の常連が……まさか。
私が思ったこと、そっくり同じく疑問視した男子達が高広に食いついた。
「熱でもあんのか!?」
「なんか悪いもん、拾って食ったか!?」
なんて酷い言われよう……でも本人は至って普通。
「だって、もうそろそろ受験勉強始めなきゃ……俺、馬鹿だから高校行けねぇもん」
「行けねぇもんって………タカ、お前推薦で行けるとこ、いくらでもあんじゃん」
「いや……俺、推薦は受けない。行きたい高校あるし」
……は!?
我が耳を疑った。
サッカー命!のタカが推薦蹴ってまで行きたい高校?