私は小さな巨人に恋をした――
そんなの初耳。
どこよ、そこ!
振り向いて聞きたいのを、ぐっと堪えた。
そう、今の状況じゃ………聞ける訳無い。
それに………
私だけじゃない。
今この周辺にいる高広を好きな娘達、きっと耳をダンボにして聞いてる。
タカが受けたい高校、絶対知りたいはずだから。
「お前どこだよ、それ」
よし!ナイスだ、男子よ。
そのまま聞き出せ………
「ん~……?」
よし、吐け!
「内緒♪」
……がくっ。
もぅ、なんでよ~。
ここまで引っ張っておいて……でも、最後に聞こえてきた言葉。
「この前の面談で、担任に「絶対無理!」って太鼓判押されたけどさぁ……やらないで諦めたくないじゃん?部活ももう少し続けたいから、両立出来るように頑張る、俺」
あぁ、やっぱり私が好きなタカちゃんだ。
無理な事にも果敢に挑む前向きな姿勢に、私の胸が切なく疼く。