私は小さな巨人に恋をした――
Level‐Ⅶ
◆◆◆◆
「じゃ、よろしくねおばさん」
「はいはい♪」
あれから頻繁に、お隣りさんにケーキとかクッキー作って差し入れてる。
高広に頑張って欲しくて。
とは言うものの…………
やっぱり声、かけづらくて。
結局は直接声もかけないまま、おばさんに預けて帰って来ちゃってたりする。
「おばさん、いつもみたいによろしくね」
「はいはい♪タカには内緒ね。わかってる☆」
ふふっ、と笑う笑顔は高広とよく似てる。
タカはおばさん似だから。
あれから三ヶ月。
毎日部活に出て、そのあと遅くまで部屋の電気ついてるから、きっと勉強頑張ってる。
高広はただでさえ細いのに、最近また痩せた気がする。
いつもと同じように振る舞ってるけど……………疲れてるように見えるのは私だけかな。
心配し過ぎかな。
でも
この私の予感が、的中する事件が起こってしまったんだ―――――――