私は小さな巨人に恋をした――
………バタバタバタ!
勢いよく階段を駆け降りる。
曲がって直ぐが保健室………
「わっ!」
ドシン!
勢いがつき過ぎて、目の前に人がいたのに気付かなかった。
止まれなかった私は、その人影に体当たり。
「痛った~……」
「こら、廊下は走るもんじゃない」
倒れる寸前、私を捕まえてくれた大きな毛むくじゃらな手。
鼻を押さえながら見上げると大男………じゃなかった。男子体育を見ていた我が担任だった。
「すびまぜん……」
「おぉ、弥生か。どうした。……ん?なんだ、鼻打ったのか?お前まで鼻血だすなよ?」
「お前までって………そうだ高広!先生タカは!?」
勢いよく先生に飛び掛かる。
普段はそんなキャラじゃない私の行動に、ビックリしながらも「おぉ」と落ち着かせるかのように頭を撫でてくれた。