私は小さな巨人に恋をした――
「………うん」
「………」
もう駄目だ。
普段から彼女作らなかった。全部断ってた。
だから今は、彼女は要らないってこと。
知られてしまうにはあまりにもタイミングが悪すぎたね…………
気付けば私は高広の腕の中に居た。
私をすっぽり覆うにはちょっと足りないけど……充分男らしい逞しい腕。
でも今はそれを喜ぶことは出来ないから。
とにかくそこから抜け出そうと、身体を放そうとするけど…………なぜかそれが出来ない。
「タカ、離して」
「ヤダね」
ヤダ!?
「……っ、離して!聞かれちゃったなら私もう……」
「もう、何?」
「何って……私がここに居ること出来ないってことじゃない!私じゃ何の役にも立たない。タカちゃんの隣にいれないんだから!」