私は小さな巨人に恋をした――
「これでも2センチ伸びたんだからな。最近はあんま寝てないから、伸びも悪いけど……もうすぐ追いつくからな」
「…?」
『ここまで言ってもまだわかんねぇ?』耳元で小さく呟かれたけど………私の頭の中の配線は、枝分かれしたまま。
「もう一つは……単純に、これからもず~っと一緒にいたい。同じものを見て、同じ空気を感じたい。だから同じ高校、入りたいんだ」
「……だからA高校なんだ」
私は、他にA高校を受験する娘を探した。
そういえば……私の他に誰かいたっけ?
えっ…………私?