私は小さな巨人に恋をした――
「私、様子見てくる」
「あらダメよ。弥生ちゃんに移ったら大変だから…」
「平気。むしろ私に移して早く治して勉強してもらわなきゃだから」
おばさんの制止も聞かずに、二階に上がる。
一番奥の左側、私の部屋の間向かいがタカの部屋。
コンコン……
返事はない。
カチャッ
「タカちゃん?」
薄暗い、適度によく散らかった室内。
久しぶりに入ったけど………男の子の部屋だね。
奥から微かに聞こえる寝息……よく寝てる。
そっと近づく。
あ、汗かいてる………
テーブルの上にあるタオルを絞った。
ぺったりおでこに張り付いた前髪をかきあげて、そっと拭いてやる。
まだしっとり熱い肌。
熱、下がってないなぁ………