私は小さな巨人に恋をした――
「弥生!?な、なんでいんの?」
寝ぼけたんだろうけど。
焦ったタカがおかしかった。
「タカちゃん駄目だって、寝てなきゃ」
「つうか、移るし!帰って!」
「なんで?ヤだよ」
慌てながらも熱でふらつくのか、こめかみを押さえてるタカを寝かし付けて…………私の笑顔は収まらない。
だって、だって……
凄い久しぶりにその呼び方されたのが、超嬉しくて……なんか昔を思い出すなぁ。
「なぁ……」
「ん~?」
「受験勉強どこまで進んでる?」
「総まとめの見直し」
「…マジで?」
はぁっと溜め息ついて、両手で顔を覆ってしまった。
どうしたの?
「やべぇ……マジ俺遅れてる………こんなことしてる場合じゃねぇのに」
タカちゃんの声が震えてる。
焦ってるんだ……タカちゃんにしたら凄いプレッシャーかかってるもんね。
「タカちゃん?」
「あ~?」
「……キスしよ」
「はぁっ!?何をおまっ……」
「そしたらタカちゃん治るかも」
「そりゃ……いや違う、マジ弥生に移すと困るし」
「移しちゃいなよ。それでタカちゃんが元気になるならいいよ?私なら何日寝込んだって大丈夫だもん」