私は小さな巨人に恋をした――
「おい生田、この問題解けたら席に戻してやる」
って、なにそれ。
そんなのタカが解ける訳無いじゃん。
いじわるな引っかけ応用問題。
ニヤニヤの先生と、難しい顔で降参しかけてる高広……。
やっちゃいけないとわかってても。
質問の答え……紙に書いて背後に。
そしたら
「う~ん……」て唸ってた高広が、急に元気な声になって「あっ、そっか!」って………
「おっ、わかったか?」
「わかった!〇〇〇じゃね?」
「………正解だ」
「よしっ♪」
ウッキウキ♪で自席に戻る高広を見てクラス中が沸き上がる。
高広は人気者だから。
皆が高広を慕ってる。
男子も女子も。
クラス委員だって、行事の実行委員だって皆やりたがらないようなことまで率先して務めてちゃんとまとめる。
そんな奴だから、割とライバルが多い。