ぶるーすかいぶるー
ガリと僕は気持ちを伝えられないままいつの間にか期末テストを迎えていた。

「祥子きてないな」

シンちゃんは休み時間に勉強をする気がないようだ。

まあ僕らもだけど。

周りはみんな教科書を開いてひたすら勉強している。

「そうだよ、祥子ちゃんが学校来るのは昨日で最後だったんだ」

「たしか今日向こうに行くんだったな」

やっちだけノートを見て今までの授業を復習している。

「あーあ…結局言えなかったな」

そう言うガリに僕は少しだけ苛立ちを覚えた。

あの時約束したのに。

時間がなかったわけじゃないのに。

人のこと言えないから僕がガリに言う資格はないのかもしれない。

だけど僕はやっぱり後悔してほしくなかった。

「行こう、今から」

「は!?」

ガリが驚いた顔をする。

「待ってました。お前が言わなきゃ俺が言ってた」

「そうだな。所詮テスト一回抜けたくらいで俺が優秀なのは変わらないしな」

やっち、シンちゃん…。



そしてうざいよ、やっち。
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