ぶるーすかいぶるー
僕らは自転車をこいで小さな駅へ向かった。

風が背中を押してくれる。

まるで神様が味方してくれているみたいに。

駅のホームに着くと彼女は両親と電車を待っていた。

駅長のいない改札口を抜けて僕らは止まった。

ガリを除いて。

「幸治くん…」

驚く祥子ちゃん。

急げガリ。

あと5分で電車がくる。

「祥子…」

見慣れた駅のホームがやたら寂しく感じるのは僕だけだろうか。

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